中山道のハイライト的な宿場、妻籠宿~馬籠宿。
中山道が参勤交代などで使われた頃は、馬籠宿の次の宿場の三留野宿まで、3つの宿場が大変栄えました。
南木曽町は、長野県の南西部に位置する町で、ちょうど馬籠と三留野の間に存在する町です。
南木曽岳と伊勢山があり、遠くには恵那山も見える山間。
島崎藤村の〝夜明け前〟の一説に「木曽路はすべて山の中である」とあるとおり、面積の94%は森林で、南木曽町は高樹齢の大木が生い茂っている自然豊かなところです。
伊勢山は、伊勢神宮に奉納したヒノキが生きる山で、南木曽町も古くからヒノキ笠やヒノキを使った生活用品が手作業で作られてきました。
(今回、ヒノキ笠も欲しかったんです。かぶってるだけで日よけ&森林浴になるので、次回南木曽へ行ったときにゲットします)
確か、南木曽へ来るまでの馬籠宿の脇本陣奥谷・林家の見学をしたときに、伊勢山のヒノキが使われていると説明を受けました。
伊勢山のヒノキは、「ヒノキ一本首ひとつ、枝一本腕一本。ヒノキを一本伐採した者は斬首、枝を一本切り落としたものは、腕を切り落とす」という厳しい法律で庶民の伐採を禁制していた貴重なものだったようです。
貴重なヒノキで造られた林家。
囲炉裏のすすが付いたヒノキの柱を女性が磨き、古くなるにつれて漆が塗られているような黒い美しい光沢を出していく…。
林家は、「売らない・貸さない・壊さない」の3原則を貫き、今でもその状態が綺麗に保存されていて感動しました。
あちこちに素晴らしいヒノキを使った古きよき伝統工芸品が存在する木曽路。
雪深い寒い山間で、そんな古き良き伝統工芸を作るときに、手元が邪魔にならないように…冷える背中を守れるように…と防寒着として作られたのが〝なぎそねこ〟。
伝統製品が誕生する見えないところで〝なぎそねこ〟は縁の下の力持ちになっていました。
なんと!着物をあつらえるように、1枚1枚手作業です。
袖の部分は無く、真綿が入った背中の部分は小さいお布団がかぶせられている様で、作業しやすくてポカポカ温かいです。これは、古くから伝わる南木曽町発祥の知恵ですね。
「ねこ」の名前の由来は、「ねんねこ半纏から」「作業している姿が猫背だから」「猫のように温かい」など諸説ある様です。
私は、和装をするので〝なぎそねこ〟を知った時にすぐに欲しいと思いました。
着物の袖の邪魔にならないし、着物の上に〝なぎそねこ〟を羽織って着物コートを着ると、かなりの防寒になります。しかも着ぶくれしません。
着物用と言わず、普段使いとして毎日羽織っています。
ご縁があって〝なぎそねこ ヒロ子さんのお店〟でお気に入りの1枚を購入することができました。
これからは、〝なぎそねこ〟と一緒にポカポカな秋冬を過ごせます。
次は、ヒノキ笠とヒノキの台所用品が欲しいので、ザックも少し余裕を空けて、もっとお土産が入るスペースを確保して南木曽へ行こう!
●ヒロ子さんのお店
〒399-5301長野県木曽郡南木曽町読書3590-1
●私がみつけた日本製 記事→ https://kenko-support.lekumo.biz/junkosakata/madeinjapan/