※リアルタイムのログではなく、数日前のログです。
〝人間一生 物見遊山…〟
これは江戸っ子の人生観を表す言葉。
生まれてきたのは、
この世をあちこち寄り道しながら見物するためであり、
せいぜいあちこち見て、
見聞を広めて友だちを増やし、
死んでいけばいい…と考えておりました。
わたしはこの言葉が好きで、自分もそうしたいと思っております。
コロナの様子を見ながら、感染予防して
〝うつさない・うつらない〟の心がけをしてこの旅を進めます。
今回は、ようやく帰ってきました!
厳冬期や緊急事態宣言などの社会情勢の理由で、8か月寝かした中山道を走る旅。
3泊4日で4つの峠を越え、約120㎞前進できまして、もうすぐ関東平野に抜けます。
しかし、今回の旅が終わった瞬間に大阪には緊急事態宣言が出まして、
またまた旅はSTOPします。
思うようにならない、そんな先を急がない旅に最初はイラついておりましたが、次第にドラマティックで良いかと思うように。
この章は、軽井沢駅~第18次 軽井沢宿~碓氷峠へ(旧中山道行き止まりまで)の続きで、軽井沢宿を経て碓氷峠を越え坂本宿まで参ります。
碓氷峠は、江戸時代の旅人から、
「木曽の桟、太田の渡し、碓氷の峠が無くばよい」と言われるくらい危険な場所だったと言われています。今はどんな風なのでしょうか…
軽井沢宿から碓氷峠を越えて坂本宿まで18㎞の旅。
18㎞のログは長くなるので、何分割かしながら旅をふり返りましょう。
■ルート:
第18次 軽井沢宿~碓氷峠~第17次 坂本宿(18km)
軽井沢の宿場から、標高1200mの長野と群馬の県境を目指して峠を登っていきます。
軽井沢宿から県境までの上りは標高960mから1200mまで。
そこから坂本宿の標高400mまで一気に下るので、碓氷峠は軽井沢宿から越えるほうが楽で、坂本宿から越えるほうがキツイです。
旅も4日目。峠越えも4つ目でだいぶん疲れていたので、軽井沢からの峠越えで本当に良かったと思います。
軽井沢の中山道旧道(県境までの旧道)は通行止めで、遊歩道で県境まで目指します。
山道には変わりございませんが、足元はとても見通しが良いです。
ちょうど県境のあたりも中央分水領(雨の別れ道)ですから、緑がキラキラと輝いていて、空気が澄んでおりました。
マスク生活で酸素不足な身体の細胞が1つ1つプチプチはじけて喜んでいる様でした。
いたるところに大きな動物のフンが落ちていて、緊張感が高まりました。
帰宅してから、調べてみたらハクビシンのフンでした。
この日もハクビシンには出会っているのですが、小型犬くらいの大きさなのに、人に負けない様な立派なフンをするとは!たくましいです。
ヤドリギでしょうか…なんだろう…。
ヤドリギであれば、樹木の枝に付着する半寄生植物です。
確か岐阜の中山道沿いにもありました。
植物でも昆虫も動物も人も…
何かに寄生して栄養分を吸収して生育するイキモノはおります。
そういう生き方もありますが、私はなるべく自生の部分を多くしたいです。
向こうに埼玉と東京。
稜線は、妙義山、裏妙義、谷急山、遠くには雲取山や甲武信岳が見えます。
とうとう長野と群馬の県境。
●熊野神社
県境に本宮、長野県側に那智宮、群馬県側に新宮があります。
それぞれにご神体がある神社は珍しいです。
●建国記念塔
建国記念の日は、「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として、1966(昭和41)年に定められました。
この2月11日という日付は、初代天皇とされる神武天皇の即位日である(旧暦)紀元前660年1月1日にあたり、明治に入って(新暦)に換算した日付。
日本人にとっては、日の名前が変えられたとしても、忘れてはならない日です。
建国記念の日の制定には菅原通済が深く関わっていらっしゃって、建国記念の日の制定だけではなく、三悪追放を訴えたりもしたお方のようです。
ウィキペディアを読んでみると、他にも色々な説があり、とても豪快な方でした。
通済の別荘は今でも軽井沢に現存しているそうで、だから…碓氷峠に「建国記念搭」なんですね。
当時の東京生命が建て、柱には佐藤大寛の墨書。
大寛は、小田原市ゆかりの墨彩画家で独自の画境を追求した方だそうです。
●芭蕉句碑
昭和12年に建立された歌碑です。
「日の暮に うすいの山を こゆる日は せなのが袖も さやにふらしつ」
(よみ人知らず)
「ひなくもり うすひの坂を こえしだに いもが恋しく わすらえぬかも」
(他田部子磐前)
奈良時代の防人で755年(天平勝宝7)上野から筑紫に派遣される途中、碓氷峠を越える時に詠んだ句。
昔の方が素晴らしいと感じることは、旅をしながら歌を詠むこと。
…心にいつも雅さを持っていたんだなぁ。
わたしは大きく分けると「喜怒哀楽」の表現しか持ち合わせていませんので、稚拙ながらも一つ歌を詠んでみたくなりました。
●詩聖タゴール(インドの詩人)
日本軍国主義に強い心配を持っていた…と説明版に書かれておりました。
タゴールの像は、建国記念塔の隣に建っているんですが、
日本の歴史を重んじる建国記念塔と、日本の軍国主義反対の思想を持つタゴールの像の間に、対照的なゆらぎを感じました。
そのゆらぎの狭間は混沌としておりますが、きっと誰もが願う「平和」があるんだと思います。
県境は県と県の間ですが、何かと何かが対峙している狭間は、統一性がないですが、良いごちゃごちゃさを感じました。
県境から坂本宿へと一気に下りますよ。
あ…行き止まりの旧中山道は、ここへ出てくるそうです。
中山道を走る旅をしなければ、たぶん一生足を踏み入れることが無かった県・群馬…。
何かを制覇したいという気持ちはコレクション好きの心をくすぐります。
群馬県に来たことで、日本には47都道府県があるのに、行ったことのない場所があるというのはもったいないなぁ…なんて思うようになりました。
まだ未踏の地である、青森・山形・佐賀・栃木!
いつか、それぞれの地の魅力を尋ねに参りたいです。
●高温多湿の梅雨や炎天下の夏の季節は、帽子をかぶったり、こまめな水分補給をしたりして、充分な熱中症対策を心がげましょう。
●冬場は防寒対策を行いましょう。
●中山道は思った以上にコンビニがありません。行動食を持っておきましょう。
●トイレは駅やコンビニがほとんどです。事前に場所をチェックしておきましょう。
●自販機はあるコースと峠越えなどは自販機が無いコースもあります。余分に水分を持参しておきましょう。
●お天気が急に変化しますので、レインウェアを持参しましょう。
●救急グッズを持っておきましょう。
●ローカル線は電子カードが使えないことが多いので、電車賃を準備しておきましょう。