長時間の運動や激しい運動を行った後、血尿になることがあります。
今回は、ランニングと血尿についてまとめます。
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中山道を120㎞。4つの峠を越えてきました。
水を2リットルとクマやヤマビル避けスプレーをザックに詰め、
6㎏程度を背負い120㎞進むという運動を行ったことで、一時的に血尿を確認しました。
これまで適度な強度の運動でしたし、
オールアウトまで運動することは過去1回程度しか無かったし、
100㎞以上走っても血尿になったことが無かったので、
びっくりしてしまいました。
しかし、ちょうど今は更年期のトンネルの中の期間で、
1ヵ月に1週間程度、子宮筋腫が大きくなる週があり、
その週に120㎞の旅を行ったという事もあり、血尿になる要素がいろいろ重なったかと思います。
帰宅してすぐに「ランニング医学大辞典」を引っ張り出してきまして、調べてみることに。
すごく勉強になりましたので、まとめます。
血尿は身体接触のあるなしに関わらず、種々のスポーツで起こります。
運動の持続時間や強度が関係し、すなわち、運動時間が長ければ長いほど、また強度が強いほど血尿は起こりやすいのです。
血尿が起こりやすいスポーツは水泳と長距離走。
特にウルトラマラソンランナーに多いようです。
(※ウルトラマラソンとは、42.195㎞以上の距離を走ること)
血尿とは、尿に血が混じる事で、目で見て明らかに赤いものを肉眼的血尿、顕微鏡的にしか見えないものを顕微鏡的血尿または尿潜血と言います。
尿は左右2つの腎臓で血液からろ過されてでき、尿管という管を通って一旦膀胱に溜まり、尿道から体外に排泄されます。この過程を尿路といいますが、血尿は大部分この尿路から発生します。
①膀胱挫傷と膀胱壁の血管奇形の悪化
腎臓は身体の後ろ側、背中の両端にあり、また膀胱は下腹部にあります。
ザックなどが走るたび、または山を下るたびに背中に当たって膀胱が挫傷することがあります。
また、私の場合は子宮筋腫で膀胱が下腹部を圧迫したことにより、血管を傷つけてしまったかと思います。
②腎機能の低下
激しい運動で筋組織が破壊される時に〝尿素〟が生成されます。
長距離ランナーは身体の筋肉を沢山使うために多くの尿素が生成されます。
尿素が生成されると体外に排出しなければならなく、腎臓が血液をろ過し活躍します。
しかし、血液は、運動中は心臓への供給は一定ですが、それまで流れていた腎臓やその他の内臓から身体の筋肉へと回されることになります。
(腎血流は1000ml/分~200ml/分に減少するという研究が報告されている)
腎臓が血液をろ過しきれなくなってしまったら、血液がそのまま体外に、尿として排泄されてしまいますし、腎臓への血流量が少なくなることで負担をかけ粘膜の出血を引き起こし、血尿となる場合があります。
[予防]
給水が十分に行われないと、充分に給水を摂った人と比べて、腎血流量の減少がより著しくなります。
ランナーの適切な給水で給水で、ろ過の機能を保ち、血尿を予防できることもあるので、こまめな水分補給を心がけましょう。
こうした腎機能の変化は一時的であり、運動終了後から60分以内に元のレベルに戻ることが多いと報告されています。
③溶血
長距離ランニングでは、時として溶血によって血尿になることがあります。
それは、足底に加わる衝撃による溶血とされ、失血や鉄損血の重大な原因となることはまずないようです。
④その他
悪性腫瘍や結石、膀胱炎によっておこるもの
運動性血尿は、激しい運動によって生じ、休むとすぐに消失すると言われます。
しかし、血尿には様々な原因が重なって起こるものです。
血尿が出たら、病院で診察してもらうことが一番の原因の早期発見につながりますので、一度診てもらいましょう。
私の場合も、一度医師に検診していただき、
運動中の水分補給の見直しや、走行距離、荷物の重さ、子宮筋腫が腫れない期間の運動などを見直すことをしたいと思います。
そして、間違いなくオーバーユース(身体の使い過ぎ)なので、
しっかり栄養を摂って身体を休ませたいと思います。
[参考図書:ランニング医学大辞典]