■走る旅:中山道〔45〕奈良井駅~第33次 贄川宿
※リアルタイムのログではなく、数日前のログです。
〝人間一生 物見遊山…〟
これは江戸っ子の人生観を表す言葉。
生まれてきたのは、
この世をあちこち寄り道しながら見物するためであり、
せいぜいあちこち見て、
見聞を広めて友だちを増やし、
死んでいけばいい…と考えておりました。
わたしはこの言葉が好きで、自分もそうしたいと思っております。
コロナの様子を見ながら、感染予防して
〝うつさない・うつらない〟の心がけをしてこの旅を進めます。
今回は、ようやく帰ってきました!
厳冬期や緊急事態宣言などの社会情勢の理由で、8か月寝かした中山道を走る旅。
3泊4日で4つの峠を越え、約120㎞前進できまして、もうすぐ関東平野に抜けます。
しかし、今回の旅が終わった瞬間に大阪には緊急事態宣言が出まして、
またまた旅はSTOPします。
思うようにならない、そんな先を急がない旅に最初はイラついておりましたが、次第にドラマティックで良いかと思うように。
さて、2020年11月16日の奈良井宿のつづきから書きましょう。
40㎞のレポートは長くなりますので、何分割かしながら旅を振り返ります。
■ルート:
奈良井宿駅~贄川宿~本山宿~塩尻駅~塩尻宿~塩尻峠~富士見展望台~下諏訪駅(40km)
始発で大阪を出て、AM9:17に奈良井駅に到着しました。
駅の横にあるお手洗いを済ませ、お掃除をされていたオジさまに
「塩尻の方へ向かうんですが熊は出ていますか?」と尋ねると、
「先はわからないけれど、鳥居峠(奈良井宿の手前)はまだ出てないよ。あまり茂みには入らないようにね。」とのことで、気をつけながら奈良井駅をスタートしました。
次に奈良井宿を訪れた時は、伝統工芸である曲物や漆器をいただきたかったのですが、
お店が営業時間外なので、先を急ぎます。
●橋戸一里塚
基本的には、人との接触の少ない平日を利用して旅をしておりますので、旅路にひと気がないのは寂しいところなのですが、地元の方が一般の方の旗日であった大型連休を利用されて、道に生えた雑草を処理してくださっていて、連休明けの奈良井宿・中山道は、とても見通しが良く気持ちが良かったです。
こうやって、地元の方が道をお守りくださっているのは、本当にありがたいことです。
奈良井川を渡ると向こう岸に一里塚公園があります。
公園も整備されていて、7月末でもまだ紫陽花が綺麗に咲いており、一里塚と紫陽花がとてもきれいでした。
●木曽平と漆工のまち
奈良井と平沢は木曽漆器の名産地です。
営業時間外で見れなかったのですが、ずらっと並ぶ漆器屋さんは、とても風情がありました。
漆器は英語で「japan」というそうです。
日本を代表する伝統工芸なんですね。
1989年の長野冬季オリンピックではメダルの中心部に木曽漆器の技術が応用されたようですよ。
木曽くらしの工芸館には、当時のメダルが展示されているとか。
●諏訪神社
武田信玄が木曽攻めの時本陣とし、武田勝頼の大敗時に焼失したものを再建したとか。
諏訪神社で手を合わせ、この日の旅の安全を祈願いたしました。
何だか楽しそうな展示場(営業時間外)
日本橋!向かっておりますよ。
草刈りをしてくださっています。
行き場を無くしたハチたちが、
まだ朝で涼しいアスファルトの上であちこちに涼んでおりました。
奈良井川です。
●押込一里塚
石碑が残ります。
一里塚に差し掛かると、宿場まであと少しだな…って安心します。
昔の旅人たちも、一里塚でおおよその距離数を把握したり、休憩したりしたのでしょうね。
●贄川のトチ
樹齢1千年。樹高32m、幹は10m。
写真じゃ伝わらないですが、とても大きくて、トチの木が今にもこちらに迫ってきそうな大迫力なのです。
1千年、同じ場所で見守ってくれている様子は、まるでどっかの山親父がドテラ着こんで睨みをきかせている様にみえてしまいました。
●水場
至る所に水場がございます。
昭和初期にあった大火で多くの宿を焼失したために、水場が大切に守られているとのことです。
地元の方が、水を求めにいらっしゃる様子がほほえましいです。
●贄川宿と贄川宿本陣
●贄川番所
尾張藩が、福島の関所の副関として、木曽ヒノキや曲物搬出の口留番所をここへ設けたとか。
板葺き石置き屋根が、歴史ロマンを感じますね。
木曽11宿の北側の宿。
交通量も人も少なくとても静かでしたが、対照的に江戸の頃は、伝統品の搬出がにぎやかに行われていたことでしょう。
中山道を走らなければ、知らなかった木曽のまち。
そして、昔ながらの日本の原風景。
自分の脚で訪ね、五感で感じ、今生きていることのありがたさを感じました。
時間がたてば、色々移り変わっていきますね。
一期一会とは、このこと。
今の景色は今だけなのかもしれません。
日本の真ん中を、西から東へと横断するなんて言う機会はなかなか無いので、
ただゴールを目指すのではなく、ご当地をアチコチ物見遊山しながらまいりましょう。
初日の区間は、寄り道や通行止めの迂回路を含めて40㎞となりました。
峠もあり、ほとんど日影が無いので、結構ハードな区間でした。
熱中症対策は必須となります。
(熱中症対策しておりましたが、初日こうなりました→ランニングと運動誘発性血尿)
荷物の重さや、その日の体調に合わせながら、その時に合った距離を踏んでいこうと思います。
●高温多湿の梅雨や炎天下の夏の季節は、帽子をかぶったり、こまめな水分補給をしたりして、充分な熱中症対策を心がげましょう。
●冬場は防寒対策を行いましょう。
●中山道は思った以上にコンビニがありません。行動食を持っておきましょう。
●トイレは駅やコンビニがほとんどです。事前に場所をチェックしておきましょう。
●自販機はあるコースと峠越えなどは自販機が無いコースもあります。余分に水分を持参しておきましょう。
●お天気が急に変化しますので、レインウェアを持参しましょう。
●救急グッズを持っておきましょう。
●ローカル線は電子カードが使えないことが多いので、電車賃を準備しておきましょう。