今年のレースももうすぐ始まりますので
フルマラソンを走るために大切なことを
「走る運動指導者」の視点から何回か分けて連載していきます。
①と②のコラムは、フルマラソンに必要なエネルギー源について書きました。
今回の章は水分補給について。
取り込んだエネルギーや酸素は身体の水分(血液)が運びます。
いくらエネルギーを補給しても水分が足らなくなると、
エネルギーが運べない他、二酸化炭素や老廃物も身体にため込み、
長距離を走れなくなります。
また、私達の身体の水分量は60%と言われ、
身体の水分を汗や呼気として体外に排出し、体温を調節します。
水分が足りない(体重の2%を超える)と体温調節の機能が破綻し、
熱中症になりやすくなります。しっかりフルマラソンを走れるようになるために。。。
水分補給も意識しましょう。
■レースの1週間前から水を体内にため込んでおきましょう!
1日こまめに分けて1.5~2リットル程度補給し
走るトレーニングをする場合はもっと多めに水分を補給し、
ミネラルを身体にため込み、レース中の脱水を防ぎましょう。
■レース前、水分を補給する
スタート地点に立つ前に数回に分けて水分補給をしておきましょう。
スタート前に飲むとトイレが心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、
スタートの30分前までに250~500mlの水分を1~2時間かけて事前に飲んでおきましょう。
OS-1は吸収も良く、トイレに行きづらい飲み物です。
■レース中の水分補給
国内のフルマラソンコースはおおよそ、3~5Km位を目安に給水所があります。
(大阪マラソンでは谷町あたりで5Km。坂を下ったところが始めての給水ポイントとなります。)
1㎞を6~7分で走る人は30~35分あたりに1回の給水となります。
給水所だけでは水分補給が追い付かない方もいます。
のどが乾いたなぁ~と感じた時は、すでに脱水が始まっています。
できれば、ペットボトルを持参して走り、30分に1度と言わず、
15~20分を目安にこまめな水分補給を心がけましょう。
1回あたり100ml程度が目安です。
水分と共に、塩分などのナトリウムを補給できる様にしておきましょう。
足の痙攣等を防げます。
ナトリウム不足のまま水分だけを大量に補給すると
低ナトリウム血症になり、ペースダウンに繋がります。
■ゴール後も必ず水分補給
多くの水分を失っているので、速やかに水分補給しましょう。
一気に飲みたいところですが、体内に吸収せるように、少しずつ飲みましょう。
水分不足はパスォーマンス低下や疲労の回復速度にもつながります。
失われた筋肉中の電解質を補えるスポーツドリンクや、
糖質を補えるもの、
疲労回復のクエン酸が含まれるものを補給し身体の回復に努めましょう。
ゴール後30分以内がオススメです。
手荷物預けと一緒にいれておくと便利です。
計画的に水分補給し、フルマラソンを楽しみましょう。
最後まで読んでいただきまして
ありがとうございました。
次章は、そろそろ走り込みすぎて腰や膝、足首など不調が出てきたり、疲労が抜けずパフォーマンス能力が落ちてたりする方もいらっしゃるかもしれませんので、
トレーニング法や回復(休養)法について書こうと思います。
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■【コラム】フルマラソンを走る①「フルマラソンを走るためのエネルギー」
■【コラム】フルマラソンを走る②「30kmの壁を超えるグリコーゲンローディング」
■【コラム】フルマラソンを走る④「トレーニングと休養のバランス」
■【コラム】フルマラソンを走る⑤「夏のトレーニングから秋のトレーニングへ切り替えてみよう」
■【コラム】フルマラソンを走る⑥「トレーニングの原理・原則~安全で効果的なトレーニングのために~」
■関連記事:去年も同じようなこと書いてます。「30kmの壁を超えろ!」→★★★