※リアルタイムのログではなく、数日前のログです。
〝人間一生 物見遊山…〟
これは江戸っ子の人生観を表す言葉。
生まれてきたのは、
この世をあちこち寄り道しながら見物するためであり、
せいぜいあちこち見て、
見聞を広めて友だちを増やし、
死んでいけばいい…と考えておりました。
わたしはこの言葉が好きで、自分もそうしたいと思っております。
コロナの様子を見ながら、感染予防して
〝うつさない・うつらない〟の心がけをしてこの旅を進めます。
今回は、ようやく帰ってきました!
厳冬期や緊急事態宣言などの社会情勢の理由で、8か月寝かした中山道を走る旅。
3泊4日で4つの峠を越え、約120㎞前進できまして、もうすぐ関東平野に抜けます。
しかし、今回の旅が終わった瞬間に大阪には緊急事態宣言が出まして、
またまた旅はSTOPします。
思うようにならない、そんな先を急がない旅に最初はイラついておりましたが、次第にドラマティックで良いかと思うように。
この章は、茂田井一里塚~茂田井宿~第25次 望月宿~長坂の続きで、
瓜生坂を経て佐久平を目指します。
民宿みや さんから、佐久平までの28㎞の旅。
28㎞は長くなるので、何分割かしながら旅をふり返りましょう。
■ルート:
民宿みや~第27次 長久保宿~笠取峠~第26次 芦田宿~第25次 望月宿~第24次八幡宿~第23次 塩名田宿~佐久平 (28km)
長坂で、あどけない表情をしながら見守る双体道祖神や
馬頭観音様達に見送られ、第25次 八幡宿を目指します。
●瓜生坂
長坂が終わると、瓜生坂。
瓜生坂は、江戸中期の観音様と念仏百万遍塔が置かれております。
●瓜生坂一里塚
江戸から45里。
少しずつジリジリと江戸に近づいておりますよ。
望月宿という字。
このあたりから、望月宿とはサヨナラで、八幡宿を目指します。
山アプリや地図アプリでは、舗装路をさすのですが、中山道は草木が生い茂る道。
東の方から旅してくると中山道の入り口に道標があるので道がわかるのだけれど、
西からは看板が出てないので舗装路を走ってしまいそうになります。
坂の下り口。
東から見たら、道標がちゃんとある…。
西からの旅人に冷たい中山道(笑)
●旧中山道道標(元禄の道標)
●百沢の双体道祖神
男性は衣冠束帯、女性は十二単の貴族。
お酒を楽しんでいらっしゃいます。
雨は上がったけれど、アマガエルはまだまだ楽しそうに動き回っています。
マンホールはあさしな
浅科地区は、浅間山と蓼科山の中間にあるためにそれぞれから1字ずつとったそうです。風景は浅間山と千曲川と五郎兵衛新田。
和宮親子内親王様がご宿泊になったそうです。
お供の行列は約3万人。前後50㎞…通り過ぎるのに4日間かかったとか。
大切に大切に徳川家までお供されたんですね。
●本陣:1
●脇本陣:4
●旅籠:3
●家数:143
●御馬寄一里塚標識
江戸から44里です。
●千曲川
佐久は鯉料理が名物。
お店で出てくる鯉は、しっかり泥を吐かせて美味しくいただけると言われますが、鯉は解剖の思い出があって、ちょっと食べれないなぁ。
千曲川で育った鯉は、佐久の気候や綺麗な水で、さぞ美味しいのでしょうけども。
ここまでくる間にもリンゴ園がいくつかありましたので、次スタートするときには佐久のリンゴを使った名産品をいただこうと思います。
万葉集にも歌われ、島崎藤村が大好きだった千曲川。
「信濃なる千曲の川のさざれ石も 君し踏みてば玉と拾わむ」(万葉集)
塩名田の川原宿の三階建て住居。
国道よりも低い位置にあるために、二階に三階をつけ足して国道に出入りしていたんだとか。
●塩名田宿本陣
昔の名残は残りませんが、信濃15宿と木曽11宿の唯一、塩名田宿には本陣が2つあったそうです。
●道祖神
●本陣:2
●脇本陣:1
●旅籠:7
●家数:116
岩田村に入ってきました。
●駒形神社
中山道は、駒形神社前の道ではなく、1本外れます。
佐久平の街へ出てきました。宿場はこの先なのですが、
この日の旅は宿場へ行かずに佐久平で終了です。
久しぶりに食べたシロノワールが美味しかった。
何日かぶりにいただいたコーヒーが胃に沁みわたったな。
14時ごろ到着しました。
登山でも同じなのですが、朝早く出て、早く着く…というのがしっくり。
中山道は山間や山の中を走ったりもしますので、明るいうちに…を心がけております。
周囲の方から、
「夏に距離を稼ぐなら〝夜間走〟でしょ。」とアドバイスをいただくことがあります。
暑さをしのげるから、本当にそうだな…と思います。
しかし、個人的には、遠くの中山道まで来て夜間走りは勿体なすぎるなと思うのです。
景色や景観を見ることもできないし、伝統工芸品やご当地フードもいただけない。
それなら中山道じゃなくて、家の近所でもできるよな…と。
走り方や価値観は人それぞれ。
自分のスタイルで道を行くのが人生。
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「なにごとにも人にぬきんでようとすることはいい、けれどもな阿部、人の一生はながいものだ、一足跳びに山の頂点へあがるのも、一歩、一歩としっかり登ってゆくのも、結局は同じことになるんだ、一足跳びにあがるより、一歩ずつ登るほうが途中の草木や泉や、いろいろな風物を見ることができるし、それよりも一歩、一歩を慥(たし)かめてきた、という自信をつかむことのほうが強い力になるものだ、わかるかな」(長い坂:山本周五郎著:上・P29)
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私は、距離を稼ぐためでもなく、ゴールを急ぐためでもなく、
日本のよき風景や伝統に触れながら中山道を走っているのだと。
ゆっくり1歩1歩噛みしめながら前進しますよ。
●高温多湿の梅雨や炎天下の夏の季節は、帽子をかぶったり、こまめな水分補給をしたりして、充分な熱中症対策を心がげましょう。
●冬場は防寒対策を行いましょう。
●中山道は思った以上にコンビニがありません。行動食を持っておきましょう。
●トイレは駅やコンビニがほとんどです。事前に場所をチェックしておきましょう。
●自販機はあるコースと峠越えなどは自販機が無いコースもあります。余分に水分を持参しておきましょう。
●お天気が急に変化しますので、レインウェアを持参しましょう。
●救急グッズを持っておきましょう。
●ローカル線は電子カードが使えないことが多いので、電車賃を準備しておきましょう。