※リアルタイムのログではなく、数日前のログです。
〝人間一生 物見遊山…〟
これは江戸っ子の人生観を表す言葉。
生まれてきたのは、
この世をあちこち寄り道しながら見物するためであり、
せいぜいあちこち見て、
見聞を広めて友だちを増やし、
死んでいけばいい…と考えておりました。
わたしはこの言葉が好きで、自分もそうしたいと思っております。
コロナの様子を見ながら、感染予防して
〝うつさない・うつらない〟の心がけをしてこの旅を進めます。
今回は、ようやく帰ってきました!
厳冬期や緊急事態宣言などの社会情勢の理由で、8か月寝かした中山道を走る旅。
3泊4日で4つの峠を越え、約120㎞前進できまして、もうすぐ関東平野に抜けます。
しかし、今回の旅が終わった瞬間に大阪には緊急事態宣言が出まして、
またまた旅はSTOPします。
思うようにならない、そんな先を急がない旅に最初はイラついておりましたが、次第にドラマティックで良いかと思うように。
この章は、和田峠(西餅屋茶屋跡)~峠の頂きまでの続きで、
難所の1つと言われる和田峠の様子をレポートいたしました。
下諏訪宿から和田峠を越えて、民宿みや まで33㎞の旅。
33㎞は長くなるので、何分割かしながら旅を振り返りましょう。
■ルート:
下諏訪駅~難所和田峠~民宿みや (33km)
峠の頂きで、お昼休憩を小半刻とってからのスタートです。
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塩尻峠も和田峠も、雨の分かれ道と言われる中央分水領で、雨水が太平洋か日本海に流れるかが決まります。
松本盆地へ流れれば信濃川で日本海へ、
諏訪湖に流れると天竜川で太平洋へと流れるようになっているのです。
その分水領が、北は北海道の宗谷岬から、南は鹿児島県の佐多岬までつながっているとは、なんだか、日本列島の背骨の様で面白い。
ちょうど通過した和田峠は、日本の背骨の真ん中。
雨の分かれ道とあって、水も緑も豊かで動植物がイキイキしているんですよ。
頂きから和田宿にかけては、なだらかな坂をひたすら下りとなります。
西の方からですと、ちょっとキツイ様な気がしましたが、東の方から和田峠をトレイルランニングするのは気持ち良いかもしれません。
だいぶん下ってくると、国道を通過する車の音が聴こえ、獣と会ってしまうという不安を少し和らげてくれます。
国道の下をコルゲートでくぐると、なんだか千と千尋の神隠しの世界へつながっていくような気分に。
●東餅屋・東餅屋ドライブイン跡
幕末には大名の休息のための茶屋本陣も置かれたそうです。
廃墟と化した少し近代の茶屋。
昔は力餅がここで食べれたような名残がわかる看板。
今は、通る人が少なくなったのかな…
人がいなくなると、どこも廃れていくので、この中山道や日本の街道も、沢山の人に愛されますように。
●広原一里塚
東塚がしっかり残っています。
広原一里塚から接待茶屋までが長い坂になっていて、多くの木橋を渡ります。
今は、整備の方が木橋を管理してくださっていますが、昔の方は小川に入って越えたんでしょうか。
和田川源流です。
これが、千曲川に注ぎ、信濃川となって日本海へと繋がっていくと思うと、この水たちも長い旅をしているんだなぁ。
●接待茶屋
和田峠から下諏訪まではほとんど集落がなく、街道でもトップクラスの要注意難所であり、冬場は冷えと空腹対策を怠ると命の危険性があると、昔は茶屋を置き、毎年11月末から3月まで、旅人に暖を取らせ粥一杯、馬には年中桶いっぱいの煮麦を施していたとか。
旅人も馬も、通過が楽しみな接待茶屋ですね。(今は復元されたもの)
●ゴミ無し地蔵(接待茶屋近く)
冬になると服を着せられたり。
今はコロナ禍なのでマスクかな。
●接待茶屋前の接待の湧水
冷たくて、軟らかくて、とても美味しい水でした。
和田川や山の等高線と並走するように、緩やかに下っていきます。
●三十三体観音
山腹にあった熊野権現社の前に並んでいた観音たちだそう。
中山道の廃止で荒れてしまったけれど、発掘調査で29体が斜面に置かれたそう。
●国史跡 中山道の石碑
●唐沢一里塚
森の中に綺麗すぎる一里塚が、左右対峙していました。
江戸より51番目の一里塚。
●山の大神
和田峠を無事に越えたのか、男倉口に出ることができました。
ここから、和田宿を目指します。
水は、海から蒸発し、空から雨になって山や大地を潤していきますが、そこから川になって海に流れて…循環し旅しています。(私達も食べて出して、食べ物の燃えカスの息を吐いて…それを植物や動物や虫達が食べて…また私達の体に戻ると言う長い旅をしています。→考えてみたら〝脱炭素0〟の言葉はおかしいな。)
〝自然とは、人手を加えない、物のありのままの状態・成行き〟
美しい和田峠を前進しながら、この先何年も、この和田峠の自然を残していくには、前進させていただいている一瞬一瞬のありのままを残し通過させていただくことだな…と思いました。
●高温多湿の梅雨や炎天下の夏の季節は、帽子をかぶったり、こまめな水分補給をしたりして、充分な熱中症対策を心がげましょう。
●冬場は防寒対策を行いましょう。
●中山道は思った以上にコンビニがありません。行動食を持っておきましょう。
●トイレは駅やコンビニがほとんどです。事前に場所をチェックしておきましょう。
●自販機はあるコースと峠越えなどは自販機が無いコースもあります。余分に水分を持参しておきましょう。
●お天気が急に変化しますので、レインウェアを持参しましょう。
●救急グッズを持っておきましょう。
●ローカル線は電子カードが使えないことが多いので、電車賃を準備しておきましょう。