■走る旅:東海道&中山道〔23〕第52次 鵜沼宿~第51次 太田宿 その③
※リアルタイムのログではありません。数日前のログになります。
〝人間一生 物見遊山…〟
これは江戸っ子の人生観を表す言葉。
生まれてきたのは、
この世をあちこち寄り道しながら見物するためであり、
せいぜいあちこち見て、
見聞を広めて友だちを増やし、
死んでいけばいい…と考えていました。
わたしはこの言葉が好きで、自分もそうしたいと思っています。
京都三条大橋から、お江戸日本橋まで東海道&中山道69次。
江戸時代の人は、江戸から京都までの135里34町余(約540km)㎞を歩いていたそうです。
出張や用事に合わせるので
宿場の順番通りにはいきませんが、西から東へ。
物見遊山しながら…自分の脚で走って一本の道をつなげてみようと、旅をしています。
対して中山道は、東の山中を通過するので「中山道」
東海道とともに日本の二大幹線道で、中山道は近世以前から「東山道」と呼ばれ西国と東国を結ぶ主要道でした。
▼中山道:
江戸・日本橋~東海道・草津宿の67継立(67次)
草津宿と大津宿を含めて69次という場合もあるので、このログ上では、
69次135里24丁8間(約540km)で表記します。
コロナの様子を見ながら、感染予防して
〝うつさない・うつらない〟の心がけをして
名鉄鵜沼宿駅~第52宿 鵜沼宿~第51宿 太田宿~第50宿 伏見宿~第49宿 御嶽宿~名鉄広見線 御嵩駅 24㎞走ってきました。
レポートの容量が多いので、
24kmの道中のうち、鵜沼宿~太田宿その③として一部を記録します。
その① 鵜沼宿脇本陣 坂井家 ~その②鵜沼宿町屋館 の続きです。
天王坂を越え、合戸上ノ池を通過すると、
いよいようとう峠です。
天王坂。
結構急な坂道。
走っていると、車で通り過ぎる方がちょっとびっくりする。
合戸上ノ池を過ぎると、うとう峠。
「木曽のかけはし、太田の渡し、うとう峠がなくばよい」とうたわれた難所の1つ。
うとうは山と山の間の窪地をさすそうです。
また、「疎」気味の悪い…という意味もある様です。
昔は道も難所で、山賊が旅人を狙っていたとも説があります。
今は道も整備され、歩きやすいのでしょうが、
たしかに山と山の間で、うっそうとしていました。
雨の日は路面がツルツルして滑りやすく、
浸水する場所もある様で、通行禁止になります。
マムシもよく出るそうですよ。
もりの本屋さん(図書館)を過ぎるといよいよ峠です。
●うとう峠一里塚
各務原市内に既存する唯一の一里塚。
片側しか写真に収められていませんが、
南と北と2つあります。
南塚は戦時中に陸軍の兵舎が建てられ、半分以上崩れているそうです。
一里塚は、道中一里ごとに立てられました。
足元は雨の後のでせいか少し滑りますが、走れないことはありません。
西からだと峠は下り坂なので、足元には充分気を付ける必要があります。
紙の地図と道標に従い、峠を下ったところで
スマホアプリの地図を確認してみると、ルートから外れていることに気付きました。
ふたたび、スマホアプリが差すルートの分岐まで走って戻ることに。
しかし、何故に道標や紙の地図がスマホアプリ地図と違うんだろうか…?
分岐でどちらが正しいか考えていたら…
地元の人に〝どこ行きたいの?〟と声をかけられました。
旧中山道のうとう峠を越えたいことを伝えると、
ルートは、私が下った方が旧中山道で、
スマホアプリの方ではないということ。
改めて気付かされたのは、
スマホアプリだからといって鵜呑みにするのは良くない
必ず紙地図を用意し、道標や目印と合わせながら進むこと。情報が多すぎるのも選択し辛いことを知っておくこと。
デジタルとアナログの両方を準備する大切さを学びました。
地元の方に、大阪から来たことを伝えると、
(コロナウィルス)で怖がられると思いましたが
逆に大歓迎されたのが背中を押されている様でうれしかったです。
途中まで一緒に行こうということで、
ワンちゃんと3人で話しながら歩きました。
美江寺宿では、お友達と走ることができましたが、
中山道を走り始めて、地元の方と話しながら歩いたのは初めてです。
1人もいいけれど、やはり誰かと話すって、やっぱり楽しい。
対面って改めて贅沢なことなんだな…と感じました。
ワンちゃんたちとも分岐でお別れ。
〝最近イノシシの夫婦が良く出没するから、気を付けてな〟
と、イノシシに出会ったらどう対処すればよいか教えてもらっていたら、
また他の地元の方に声をかけられました。
〝峠越えるから、一緒に行こう〟と。
山のあれこれや、近くの観光スポットのことなどを話しながら、
うっとおしい峠どころか、楽しい峠越えとなりました。
最後は木曽川の手前のトンネルを抜けて峠越え終了です。
このトンネルは増水すると水に浸かるんで、
雨の日の通行不可は、大納得でした。
トンネルを越えると木曽川が広がります。
昔は栄えていて飲食店も多かったそうですが、今は廃墟となっています。
しかも、トンネル越えたら川のほとり迄行けたそうですが、
今は水害が多く、整備もされてないので遠くから眺めるくらいだとか…。
〝もう一度中山道ブームが来たらにぎやかになりますかね〟
というと、オッちゃんは嬉しそうに笑っていました。
地元の人しか知らない情報は、ガイドブックにも書いていないし、
こうやって旅先で人と話すことって、旅を楽しくしてくれます。
まだまだ対面コミュニケーションにはお互い気を使いますが、
対面は、ネットの画面からでは伝わらないその人の気やオーラを感じることができるので
やっぱり好きだな。
オッちゃんはストックを大きく振って、私は手を大きく振ってお別れしました。
もう会うことは無いかもしれませんが、親切にしていただきありがとうございました。
一期一会ですね。
さぁ、次はいよいよ太田に入りますよ。
その④に続きます。
●高温多湿の梅雨や炎天下の夏の季節は、帽子をかぶったり、こまめな水分補給をしたりして、充分な熱中症対策を心がげましょう。
●思った以上にコンビニがありません。行動食を持っておきましょう。
●トイレは駅やコンビニがほとんどです。事前に場所をチェックしておきましょう。
●自販機はあるコースと峠越えなどは自販機が無いコースもあります。余分に水分を持参しておきましょう。
●お天気が急に変化しますので、レインウェアを持参しましょう。
●救急グッズを持っておきましょう。
●ローカル線は電子カードが使えないことが多いので、電車賃を準備しておきましょう。