■走る旅:東海道&中山道〔21〕第52次 鵜沼宿~第51次 太田宿 その①
※リアルタイムのログではありません。数日前のログになります。
〝人間一生 物見遊山…〟
これは江戸っ子の人生観を表す言葉。
生まれてきたのは、
この世をあちこち寄り道しながら見物するためであり、
せいぜいあちこち見て、
見聞を広めて友だちを増やし、
死んでいけばいい…と考えていました。
わたしはこの言葉が好きで、自分もそうしたいと思っています。
京都三条大橋から、お江戸日本橋まで東海道&中山道69次。
江戸時代の人は、江戸から京都までの135里34町余(約540km)㎞を歩いていたそうです。
出張や用事に合わせるので
宿場の順番通りにはいきませんが、西から東へ。
物見遊山しながら…自分の脚で走って一本の道をつなげてみようと、旅をしています。
対して中山道は、東の山中を通過するので「中山道」
東海道とともに日本の二大幹線道で、中山道は近世以前から「東山道」と呼ばれ西国と東国を結ぶ主要道でした。
▼中山道:
江戸・日本橋~東海道・草津宿の67継立(67次)
草津宿と大津宿を含めて69次という場合もあるので、このログ上では、
69次135里24丁8間(約540km)で表記します。
コロナの様子を見ながら、感染予防して
〝うつさない・うつらない〟の心がけをして
名鉄鵜沼宿駅~第52宿 鵜沼宿~第51宿 太田宿~第50宿 伏見宿~第49宿 御嶽宿~名鉄広見線 御嵩駅 24㎞走ってきました。
レポートの容量が多いので、
24kmの道中のうち、鵜沼宿~太田宿その①として一部を記録します。
●名鉄鵜沼宿駅
今回から新幹線を活用し、スタート地点に向かいます。
新幹線はガラガラの座席で〝JRの経営状況は大丈夫だろうか…〟と心配してしまいますが、半面…空いている新幹線は心地よく、リッチな気分で名古屋まで。
名古屋からは名鉄線に乗り換え、名鉄鵜沼宿駅へ。
鵜沼宿駅に着くまでの道中、
車窓から外の景色を見ながら、
〝よくここまで走ってきたもんだ…〟と感心。
自分で自分を褒めてあげたくなりました。
さて!鵜沼宿駅からスタートします。
●二ノ宮神社
まずは、旅の安全祈願。
スタート地点に近い二ノ宮神社にて。
〝今日もよろしくおねがいします。安全に旅を楽しめますよう…〟にと。
急な階段を登っていくと古墳があります。
古墳の上に建つのが二ノ宮神社です。
誰が眠っているのかはわかりませんが、
古墳の上に神社があるって、とても不思議です。
こちらは、古墳の蓋。
●菊川酒造
二ノ宮神社前、菊川酒造。
松尾芭蕉の更科紀行の中で歌われている俳句
「ふぐ汁も 喰えば喰はせよ 菊の酒」
に因んで菊川と命名したそう。
菊川酒造のお酒は、長良川の軟水を利用して造ってるのだとか。
秋のお月見は菊の季節。
菊を日本酒に浮かべてお月見したいです。
そのお酒が菊川酒造の〝菊川〟なら、なおのことよろしいでしょうな。
●鵜沼宿脇本陣・坂井家
鵜沼宿は本陣が1軒、桜井家。
脇本陣が1軒。坂井家と野口家が交替で務め問屋も兼ねていました。
宿場は、濃尾地震で倒壊してしまったけれど、
「鵜沼宿家並絵図」を参考にし2010年に復元。
(管理人のおっちゃんは太田宿を少し参考にした…とか説明してましたが。)
今は、一般公開されていて、当時の宿の様子が見れます。
〝うだつ〟が立派な造りです。
うだつとは、隣家との延焼防止のために建てられた防火壁のこと。
昔は、町屋が隣り合ってギュウギュウに建てられていて、
隣家からの火事が燃え移るのを防ぐために〝うだつ〟が造られていました。
江戸時代中期頃になると、装飾的な意味合いなったそうです。
『うだつがあがらない』
と言いますが、
うだつを上げるためには、それなりに費用が必要で
〝生活や地位が向上しない状態〟を昔から〝うだつが上がらない〟と言っていた様です。
うだつはあげときたいですな…。
入り口にドーンと瓢箪。
中山道69次が名入りで並んでいます。
だいぶん遠くまで走ってきた気がしましたが、
2列程度を走破しただけ…
あと4列残ってると思うと気が遠くなりますが、
楽しいので、ゆっくりゆっくり根詰めずにマイペースで進みます。
台所…。
かまどが並んでますね。
昔むかし、我が家にも土間やかまどがあったので、
とても懐かしいです。
アルコール消毒し、誰が見学したのかわかる様に名簿を書き、
ランニングシューズを脱いで、中へ入らせていただきます。
上段の間は撮影禁止。
お部屋が並んでいますね。
奥座敷まで、とてもきれいです。
各部屋で、寝泊まりされていたと思うと、
脳内は江戸時代にタイムスリップです。
縁側とお庭。
日本家屋の造りって、絵の様で美しいです。
こちらは、お風呂。
沸かしたお湯は手で運んだようですよ。
トイレです。
昔から、身体を清めるお風呂と、汚物を排出するトイレが分かれていたって…
日本って、ほんまに衛生的。
こちらは、もう一つのお風呂。
偉い人が入るお風呂です。
水戸黄門に出演する由美かおるの〝かげろうおギン〟が入浴するような湯船ですね。
もう一つのトイレ。
藩主が使っていたのでしょう。
蓋を開けると、下に箱があって
随行する御典医が主人の健康状態を確認していたようです。
お庭も綺麗です。春夏秋冬それぞれ違う色を出してくれるのでしょう。
復元ということで、築10年程度の新しい建物でしたが、
美しくシンプルで、改めて日本家屋は素敵だなと思いました。
松尾芭蕉の句碑もあります。
芭蕉は、のざらし紀行の貞享2年(1685)から
更科紀行に旅立つ貞享5年(1688)まで
3度、坂井家を訪れ句を詠みました。
鵜沼宿が大好きだったんでしょうね。
●汲溜の水泡たつや蝉の声
●ふく志るも喰へは喰せよきく乃酒
●おくられつ送りつ果ハ木曽の秋
●はらなかやものにもつかす啼くひはり
開館時間 : 午前9時~午後5時
休館日 : 毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
祝日の翌日(土曜日・日曜日、祝日の場合はその翌日)、12月28日~1月4日
入場料 : 無料
所在地 : 各務原市鵜沼西町1丁目137番地
電話 : 058-379-5055
アクセス :
JR高山本線 「鵜沼」駅下車 徒歩20分
名鉄各務原線 「新鵜沼」駅下車 徒歩20分、「鵜沼宿」駅下車 徒歩15分
坂井家の管理の方から
「歩く人は多いけれど、中山道を走って走破する人はあまり見かけない。よく来たね!」
「今日は1番乗りだし、幸先良いよ!」
と、応援&大歓迎の言葉をいただきました。
コロナ禍において、まだまだ対面コミュニケーションに気を使うことも多く、
何が正解なのかもわからなくなっている社会ですが、
自分なりの回答を見つけ、ワクワクしながら前に進みたいです。
今回の旅も残したいことが多く、まだ御嵩宿方向へほとんど向かってないけれど、
ひとまず、その①のレポートを終了します。
つづきはまた。
●高温多湿の梅雨や炎天下の夏の季節は、帽子をかぶったり、こまめな水分補給をしたりして、充分な熱中症対策を心がげましょう。
●思った以上にコンビニがありません。行動食を持っておきましょう。
●トイレは駅やコンビニがほとんどです。事前に場所をチェックしておきましょう。
●自販機はあるコースと峠越えなどは自販機が無いコースもあります。余分に水分を持参しておきましょう。
●お天気が急に変化しますので、レインウェアを持参しましょう。
●救急グッズを持っておきましょう。
●ローカル線は電子カードが使えないことが多いので、電車賃を準備しておきましょう。