■【コラム】フルマラソンを走る②30㎞の壁を超える!グリコーゲンローディング
今年のレースももうすぐ始まりますので
フルマラソンを走るために大切なことを
「走る運動指導者」の視点から何回か分けて連載していきます。
前回は「フルマラソンを走るためのエネルギー」についてまとめ、
筋肉や肝臓のグリコーゲンの貯蔵は少なく、
30Km(~35㎞)あたりになると枯渇し、動けなくなると書きました。
(記事はこちら→★★★)
フルマラソンではよく「魔物が現れた」とか、「30~35㎞の壁」とか、「ハンガーノック」と言います。
今回は、魔物を寄せ付けない、30Kmの壁を超える方法!!
グリコーゲンの枯渇を防ぐ方法をまとめます。
フルマラソンにチャレンジして、レースの終盤に足が動かなくなったり、失速した経験はありますか?
(初出場の方は、足が動かなくなることや失速することがあると知っておくと便利です。)
私は、初出場の時見事30Kmあたりで失速・・・
歩いてしまいました。
この足が動かなくなることや失速する原因は、
オーバーペース(飛ばしすぎ)や姿勢の悪さ、
練習不足など色々なのですが、
筋肉や肝臓のグリコーゲンが枯渇してしまうという原因も考えられます。(コラム①参照)
30Kmの壁を超える1つの方法は、グリコーゲン(糖質)の補給。
かしこくグリコーゲンを補給して壁を超えましょう。
■レース前のグリコーゲンローディング?
ローディングとは、レース前やレース中に必要なエネルギーとなるグリコーゲンを筋肉にため込むこと。
壁を超えるカギはグリコーゲンローディングを行う事。
糖質を筋肉や肝臓にため込んでおきましょう。
(結構、普通の食事でも糖質方の場合、すでにため込めていると言われています。筋肉量を増やすとため込める量も増えるのでタンパク質を普段から摂取して筋トレも必要です。)
■レース直前のグリコーゲンローディング
レースの直前は糖質の節約をする事。
会場到着してレースまでに、ドキドキしたり、待っているだけで糖質がどんどん減っていきます。
シャケ入りおにぎりを1つ食べてみたり、バナナやカステラを補給したりして、なるべく糖質が減らないように節約しておきましょう。
■レース中のグリコーゲンローディング
レース中はおにぎりなどの固形物では消化に時間(120~150分)がかかり、
すぐにエネルギーになりません。
汚い話になりますが、酔っぱらいのゲロを見ると、結構炭水化物の固形物が残っています。消化に時間がかかるのです。
そんな時はジェル等を補給しながら走ります。(マルトデキストリンを主原料にしたジェルは、15~30分で体内に吸収されオススメです。)
即効性のある糖質はブドウ糖です。約5~10分で吸体内に収されます。ブドウ糖のタブレットを持っていると便利です。
糖質補給のジェルの他にBCAA(アミノ酸)を補給すると、糖質を節約します。
BCAAはエネルギーとして再利用され、筋肉を回復させ、集中力を維持させます。
BCAAは常に補給しながら走り、
糖質補給のタイミングは、後半きつくなる前20~30Kmの辺りでは必ず補給しておきましょう。
かしこくグリコーゲンローディングして、
フルマラソン30Kmの壁を超えませんか?
身体を動かす原料は食べ物。
シッカリ食べて楽しく走れるといいです。
フルマラソンにチャレンジするみなさんを応援しています。
次の章は栄養を届けるには水分が必要なので、
水分補給について書きたいと思います。
まだまだトレーニング方法やフルマラソンについての豆知識が続きます・・・。
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