■人生ゲーム
子供の頃夢中になったボードゲームと言えば「人生ゲーム」。
人生、山あり谷あり…のコピーで始まるヒット商品である。
人生ゲームは、ルーレットの出た数だけ駒を進め、自分が選んだ色の車に乗り、結婚したり子供が産まれたりしながら、家族を増やしていく。
当時憧れの医者や弁護士や先生、他にもデザイナーやアイドル歌手という職業に就き、お金を稼ぎ、家や土地を買ったりしながらゴールへ向かうというもの。
他にも、宝くじに当たったり持ち株が上がったりと一攫千金もあるが、逆パターンもあり、株で大損…泥棒に盗まれる…事故や火事で大出費もある。
大損をしても、損害賠償請求裁判に勝ったり、保険に加入してたら助かるのだから、何ともよくできた流れだ。
そして、ゴール時には沢山のお金を持っているプレーヤーが勝利する事も、高度成長期に流行ったゲームだと納得させられる。
昭和の子供の頃、弟たちとゲームを楽しみ、大損続きでどん底となり、途中でゲームを投げ出してしまう…という姉弟喧嘩がとても懐かしい。
さて、人生ゲーム令和版をやってみた。
テーマは「インフルエンサー」。
「Twitter」もどきのSNSや「YouTube」みたいなもので動画配信をしたりと、背景が超デジタル化社会。
これまでの人生ゲームで定番だった「お金」や「職業カード」は登場せず、決まったコースやゴールもない…なんとなく〝みんな違ってみんないい…〟の金子みすゞさんの世界観の様な優しいゲームになっていた。
昭和を生きた私は、オモチャの札束をうちわ代わりにして仰いだり、コインをたんまり積み上げて勝敗に興奮したものだが、それがない令和版は、なんだか物足りなく感じてしまう。
しかし、駒を進めるたび、沢山のフォロワーに応援されている感覚や、年齢関係なく誰もが『YouTuberやインフルエンサーのチャンス!』と言う様な夢や希望を持たせてくれる新時代のゲームであることは確かで、なかなか面白かった。
ところで、人生ゲームの開発者であり、アメリカのゲームデザイナ―のルーベン・クライマー氏が現地時間9月14日亡くなったそう。99歳だったとか。
昭和、平成、令和を駆け抜けた人生ゲーム。
令和の次の時代にも、形を変えても人生ゲームは残っていてほしいものだ。
再び、子供の頃のように、人生に夢や希望を持つことを教えてくれたルーベン・クライマー氏に感謝。
遊びは学び。
自分の人生ゲームを楽しもう。