■初心忘るべからず
阿倍野区の総合フィットネスクラブに足を運び、
15年以上続けてきた金曜の午前中のレッスンも
残るは来週の1回となりました。
閉館の知らせを受けた3月末からしばらくは
あと数か月で営業が終わるという実感がわかなかったのですが、
先週あたりから「お世話になりました…」の挨拶を交わすことが増え
「ああ、本当に終わるんだな」と急に寂しい気持ちになっております。
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今朝のリズミックウォーキングクラスに、
ずいぶんお久しぶりの方が参加されました。
わたくしは、木曜朝にも担当していたことがあるのですが、
当時の木曜クラスに参加されていた方でした。
「先生にお礼を言いたくて。
初めて参加したのが先生のクラスで、
ほめていただいてから自信がもて、
それがきっかけでずっと続けられました。
ありがとうございました。」
と、わざわざのことでした。
こんな有難いお言葉は
こちらこそ感謝です。
「初心忘るべからず」という言葉をよく使いますが
人間は物事に慣れてきてしまうと
最初のことを忘れてしまう。
それが普通であります。
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時々の初心忘るべからず
老後の初心忘るべからず」
(「花鏡」世阿弥・著)
これは世阿弥の言葉です。
経験したことのないことや
未熟だったときの心構えを忘れることなく
歳と共に新しいことに挑戦していく段階においては
常に初心者である。
そのひとつひとつを忘れずにいよう。
こんな意味でしょうか。
月日は流れ、新しいことが慣れごとに変わる。
そんな中、最初のきっかけや出来事を
覚えていてくださることは
本当にあり得ないこと。
有難いことなのです。
感謝の言葉は、
日々新しいことにチャレンジし続けながらも
常に謙虚で初心を忘れない方だからこそ。
普段からこの精神が身についてないと
感謝の言葉はスッと出てきません。
わたくしも、
「是非の初心忘るべからず
時々の初心忘るべからず
老後の初心忘るべからず」
精神でいたいです。
残るは来週。
初心になって最後のレッスンをさせていただきます。