■万葉歌人が愛した大和三山トレイル
日本書紀によれば、紀元660年に奈良の橿原神社で初代天皇・神武天皇が即位したのが2月11日。
今は2月11日を建国記念の日としています。
令和2年・2月11日の建国記念の日までに走りたかった大和三山。
2月11日はお仕事なので…
走れる日に、日本のルーツの橿原神宮を拠点に、万葉歌人が愛した畝傍山・耳成山・香具山(天香具山)を繋いでみました。
橿原神宮の後ろに見えるは畝傍山(うねびやま)
畝傍山山頂から見えるは耳成山(みみなしやま)
藤原京から見えるは天香久山(かぐやま)
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(ルート)
橿原神宮〜東大谷日女命神社〜畝火山口神社〜畝傍山山頂〜神武天皇陵〜耳成山山頂〜耳成山口神社〜藤原宮跡〜香具山山頂〜国常立神社〜伊弉冊神社〜本薬師寺跡〜樫原神宮
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三山の途中で立ち寄った神武天皇のお墓。
-日本書紀、古事記によると、初代天皇とされる神武天皇(在位:前660年~前585年)は日向(宮崎)地方から、瀬戸内海を東に進んで難波(大阪)に上陸したが、
生駒の豪族に阻まれたため、南下して熊野に回る。
そこで出会った3本足の「八咫烏」(やたがらす)に導かれ、吉野の山を越え大和に入り、周辺の勢力も従え、大和地方を平定する。
そして、紀元前660年の1月1日(新暦2月11日)に橿原宮で即位し、初代の天皇となる。
神武天皇陵はとても清々しくて大きくてドーンとしていた。
耳成山下山後立ち寄った藤原宮。日本で初めて建設された本格的都城。
持統8(694)年遷都。
平城京遷都までの16年間、この地で第41・持統、第42文武、第43元明の天皇が律令国家体制を強力に押し進めた。
藤原京の規模は東西5.3km、南北4.8kmで、その中心部には藤原宮があった。
天皇の住まいである内裏や、天皇が儀式や政治を行った大極殿跡が残る。
最近の調査研究によると、平城京や平安京を上回る規模だったとも言われている。
宮跡からは東に天香具山、西に畝傍山、北に耳成山を望める。
ひろーい。昔の地図を見たら、大和三山も藤原京の敷地内だった。
藤原宮を囲む様に鎮座する大和三山。三つの山を結ぶと二等辺三角形に。二等辺三角形の頂点から三輪山に真っ直ぐ線を引くと矢印型になる。
その中心には藤原宮の太極殿・宮城がおかれたそうで、三山にも、藤原宮跡にも、大きなパワーが宿っていそうです。
三山は、藤原宮やこの辺りの町を守る結界みたいなものなんだろうか…。
しかし…低山とはいえ清々しくて気持ちの良い山々でした。
34代舒明天皇や41代持統天皇も歌にし、
万葉集には中大兄皇子も歌にした三つの山。
その当時の生活も感じ取れ、歴史ロマンに引き込まれます。
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大和三山の和歌。
日本は美しい和歌のある言葉の国ですね。
だからこそ、日常でも、ネットでも、
言葉は言霊。
呪いの言葉はサヨナラして、美しい言葉を使いたいもの。
〇舒明天皇
「大和には群山あれどとりよろふ天の香具山登り立ち国見をすれば国原は煙立ち立つ海原はかまめ立ち立つうまし国そあきづ島大和の国は」
(訳)「大和にはたくさんの山々があるが、特に頼もしい天の香具山に登り立って国見をすると、広い平野にはかまどの煙があちこちから立ち上がっている、広い水面にはかもめが盛んに飛び立っている。本当によい国だ。この大和の国は」
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〇持統天皇
「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山」
(訳)「春が過ぎて夏がやって来たようです。真っ白な衣が干してありますね。天の香具山に」
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〇中大兄皇子
「香具山と 耳梨山と あひし時 立ちて見に来(こ)し 印南国原(いなみくにはら)」
(訳)「香具山と耳梨山とが争った時に、阿菩(あぼ)の大神が立ち上がって見に来た印南の国原よ。」
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〇大伴旅人
「忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため」
(訳)「忘れ草を私の腰ひもに付けてみた。香具山のあたりのあの懐かしい里のことをわすれようとするために」
本薬師寺跡。
現在奈良市の西の京にある薬師寺(やくしじ)の前身にあたる寺。
天武天皇が持統天皇である皇后の病気平癒のため祈願して、天武9年(680年)に薬師如来を本尊とする寺の建立に着手。
完成しないうちに天武天皇が崩御し、持統天皇がその遺志を継いでこの地に完成させる。
本薬師寺跡に庚申の石仏が。
そういえば、畝傍山の登山口辺りにも庚申の石仏があったので、気になって調べました。
庚申とは干支(えと)の組み合わせ。
庚申信仰とは、「かのえ・さる」となる日に災厄が来るので、様々な儀式や寝ずの番などを行って災厄から逃れるという信仰。
災厄を連れてくる神の使いである「三戸(さんし)の虫」が猿が嫌いなので、身代わり申として庚申の石仏やお猿さんの置物が街のあちこちにあるのだそう。
昔から、干支から学ぶ人が多かったよう…。
私も先達から学び、干支の活学中。
香具山の山頂から見えるダイヤモンドトレイルは最高に綺麗だった!
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初代天皇神武天皇が祀られる橿原神宮。
御朱印の日付が流石!!
『紀元二千六百八十年』…紀元と書かれてあります。
※皇紀も紀元も初代天皇神武天皇が即位した年からの数えです。
次の節目である紀元二千七百年まであと20年。
20年後の2/11は橿原神宮へご挨拶に行って節目をお祝いしたいなぁ。
長生きしよ。
さざれ石。
小さい石が集まって大きな岩に。
これが苔むすまで永く永く栄え平和でありますように…
なんて素敵な祈りの歌なのでしょう。
帰りに道の駅によって大根まるまる1本ゲットしました。
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3日で80㎞走るという…ほとんど山・・・。
なんとも身体を酷使してしまったので、労わります。
また行ってみたいところを自分の脚で行き、眼と心で感じれますように。
身体にも…今日脚を運べた場やいろんなことにも…感謝したいです。
日々感謝。