■[コラム]ラジオ体操の歴史:「国民保険体操」と「ラジオ体操第一」
近代物質文明が急速に発展し生活は便利になりましたが、その一方で身体を使う作業範囲が減り不健康になります。~中略~
それには適度な運動療法で健康を維持する努力が必要です。
…
だからといって、余裕のない日常の中では、運動に多くの時間は割けないので短時間でできるものを、また特別な設備や技術のいらないものでないと奨められません。』
これは、昭和初期のラジオ体操普及のパンフレット文です。
ラジオ体操は、福祉の増進と国民の経済生活の安定を目的として1928年(昭和3年)『国民保険体操』として開始されました。
これが初代ラジオ体操です。
※国民保険体操の動画をYouTubeで見つけました。
すごい…めっちゃシンプルや…。
見た事、やった事が無かったので、やってみました。
大東亜戦争後、初代ラジオ体操はGHQにて廃止されました。
ラジオ体操は、日本全体に流れるラジオに合わせ、一斉に身体を動かすという行為や、国旗掲揚・国歌斉唱と、ラジオ体操が連続して進行されたことが、国家の一体性を象徴するものとして捉えられました。
しかし、すぐ(昭和21年)二代目ラジオ体操が再開されることになります。
戦後間もないという時期的なことや体操の内容が浸透しないなど、様々な問題があり、中止となります。
そして、1950年(昭和25年)国民の60%がラジオ体操の復活を望み、世論に押し出されたことにより、1951年(昭和26年)に、ラジオ体操第一(今も行われているラジオ体操)が制定されました。
さらに1952年(昭和27年)には「職場の人々」を対象としたラジオ体操第2が制定ました。
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ラジオ体操は、中断があったり内容が変わったりしても、長きにわたる歴史があったのですね。
ある伝統文化を普及する先生が
「100年続いたら伝統文化になるよ。エアロビックダンスもそうなるといいね。」
と言葉をかけてくださったことがありましたが、→そうなったらいいけれど。
考えてみたら、ラジオ体操は、日本の伝統文化の1つになりそうです。
「いつでも、どこでも、誰でもできるもの」そして「健康・づくり」は、時代を超えても大切なこと。
そして、〝いつまでも健康でありたい〟という願望は、どの時代も普遍であります。
私も運動指導をするものとして、「特別な設備や技術がなくても」、
「いつでも、どこでも、誰でもできる」ように…
そんな指導させていただくことを、これからも大切にしていきたいです。