■【令和に想う江戸の暮らし③】容(カタチツクリ)/小間物屋
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容(カタチツクリ)
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私事になるが、成人式の時、同級生は当時流行りのフワフワとした可愛いヘアスタイルで式典に参加したが、自分は日本髪だった。
何故に私だけ日本髪だったのかは謎だが、おそらく髪質と頭のカタチが日本髪に合っていたのだろう。
時代遅れの様な風貌が嫌で、式典が終わったらすぐに髪を崩して着物を脱ぎ、その足で〝いろはにほへと〟へ飲みに行った記憶がある。
しかし、今となってみれば…個性を引き出してくれた髪型で、着物よりも髪の方が印象深く残っていて成人式の思い出になっている。
当時の美容師さんに感謝だ。
成人式の記憶もあってか、私は小間物屋の前に来ると足が止まる。
日本髪を結うわけでもないが、髪をとかす櫛やセットに使う小物を見ているとワクワクするのだ。
店を眺めながら、そういえば…中山道ランの途中で〝おろく櫛〟を買ったのだが、その時、お店のおばあちゃんに椿油を一緒に買うように勧められていたのを思い出した。
お相撲さんやおしゃれな女性は、櫛のお手入れと髪のセットに油を一緒に買ってたそうだ。
(小物の奥には油壷が並ぶ…)
そういえば、櫛も髪のお手入れも怠っている…。
愛読している都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)巻之下 に
〝容(カタチツクリ)は身を正しうするの源、身正しき時は心正しく、心正しき時は貞操正しく…〟と書かれるが、
二十歳の時の髪型もいまだに強く印象に残っているし、人は見た目が9割と言われるし。
特に視線が集中するのが頭部だそうで…頭を丸めて清潔感を出せる勇気はまだないから、日々髪のお手入れと髪型は綺麗にしておきたい…
大阪くらしの今昔館
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小間物屋とは:
現代で言う雑貨屋さんのような店。
櫛や笄・簪などの髪飾りや、白粉・紅などの化粧品をはじめ、塗りものの器やめがね・袋物やたばこ入れなど、こまごまとした日用品を売るから〝小間物屋〟と呼ばれる説や、高麗(こま)からやってきた雑貨を売っていたから〝小間物屋〟と呼ばれる説などがある。
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