■エストロゲン子・子宮筋腫に悩まされて①[はじめに:緊急事態]
自分の経験談を言葉で表現するのは、私にとって容易ではありません。
悩みや苦しみをさらけ出すことによって注目される方が不安になるからです。
しかし、私と同じように体を動かすことが好きだけど…子宮筋腫の悩みを抱えている。
女性に向けて何か伝わったらな…と勇気を振り絞って記事を綴っていきます。
子宮筋腫はエストロゲンによって大きくなる良性のコブです。
悪性になることはほとんどないと言われますが、妊娠希望の方や、辛い症状が出る方にとっては生活の質を低下させてしまうことは確かです。
女性がイキイキとした日々を過ごす1つのアドバイスとして、
私と子宮筋腫の体験談が活きるのであれば、それはそれで嬉しく思います。
また男性の方がお読みになる場合は、
奥様や恋人、お母様や娘さんなど、
周囲の女性も悩みを抱えているかもしれない
という目線で読んでいただけると嬉しいです。
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2022年10月、巨大な子宮筋腫が見つかりました。
コロナウィルスが世界を震撼させた後、
いつもの生活が戻りつつある中、
私の体はまだ緊急事態でした。
もともと30代の頃から漿膜下(しょうまくか)筋腫という
子宮壁の外側にできるタイプの子宮筋腫を持っています。
2016年あたりからすこしずつ症状が強くなり、生理前は妊婦のようにお腹が膨れ、
生理後は腹筋が割れるくらいに引っこむのを繰り返していました。
特に2019年からはこの症状がさらに強くなっていきました。
更年期のせいかな…と思ってましたし、実際に子宮筋腫は女性ホルモンに影響されると言われるので、大なり小なり更年期におけるホルモンの乱高下の影響を受けた事には違いありません。
原因は特定できませんが、色んなことが複合し、この7年でスクスク成長し巨大化していったのは事実です。
運動を指導するという、元気が売りの仕事をしているのに、病的な話なんて、誰にも話したくないし、本心は墓場まで持って行きたいです。
しかし、自分自身が巨大子宮筋腫の手術をされた方の体験談にだいぶん助けられましたし、自分も体験談を伝えていくことで、また誰かのお役に立てるかもしれない。
そして運動指導者として、回復していく様子を発信することで、それを必要とする誰かのお役に立てるかもしれない…そう思いました。
今回、自分自身が問題を抱えている方の心や体の痛みを知ったことで、今までとは違った角度から物事が見れるようになったことは、今回大きな気付きでしたし、何もなかったら…この先も人の痛みに気付かない傲慢な運動指導をしていたかも知れません。
この機会に得た気付きに感謝しながら、必要としてくださる方に向けて文章を書き進めていきます。
そして大切な事を3つ、先に結論を申し上げさせてください。
②子宮筋腫がある場合はどんなタイプの子宮筋腫か知り、勉強すること
③納得いかない場合セカンドオピニオンをすること
この大切な3つのことは、必ず貴女の、または大切な人の体やの命を守ること。
行動に移してみてくださると嬉しいです。
ところで、物が壊れたりしたときに、どこが悪かったのだろう?と原因を見つめることがありませんか?
壊れるまでは、物を使ってもたらされる結果にしか目が行ってないものですが、使っていたものが壊れることで、改めて大切さに気付いたり、使い方を見つめなおしたりすることがあります。
これをブレイクダウンと言います。
私達の周りに起こる失敗や間違い、病気・ケガも同じで、事が起こるまでは、まったく目が行かなかったことにも、何かが起きると「なぜなんだろう」「どうしてこうなったのだろう」と目が行くようになります。
もし、私に子宮筋腫がなかったら…
おそらく自分に注意を向けることも、自分の体を大切にすることにも気付かなかったでしょう。
そう思うと、子宮筋腫での苦労も無駄では無いと思います。
そんなことで、自分のことをブレイクダウンしてみたいと思います。
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私の職業は運動指導です。
現場や様々な媒体を介してウォーキングやランニング・エアロビクスなど、有酸素運動を専門に指導しています。
有酸素運動は、生活習慣病を予防・改善し、体を健康に保つ運動です。
良い面が沢山ありますし、良い面を伝え続けています。
しかし、何事にも陰と陽があり、良い面ばかりではありません。
有酸素運動指導を生業にしている私の足裏には毎日衝撃があり、スポーツ性貧血が進むうえ、子宮筋腫の貧血とダブルで貧血という裏側がありました。
とはいえ、ランニングでは無酸素性作業閾値以下の強度(有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点となる運動強度のレベルのこと)で走れば、わりと楽に長く走れることを知っていましたし、無酸素性作業閾値がわりと高かったこともあり、貧血でも大きな筋腫があっても楽に走れてしまっていました。
また、運動習慣の恩恵で、子宮筋腫や生理の不調がほとんど無かったことも、筋腫成長の隠れ蓑になってしまっていたと感じています。
他にも出産経験が無いことや更年期症状、コロナ禍の2年は飲酒量が多くなっていたこと。ストレスなどが子宮筋腫の成長要因なのかな…と思います。
正直何かのせいにすると心がちょっぴり楽になるし、ブレイクダウンしだしたらきりがないのですが、この機会に自分の心と体を見つめ直すことができてよかったと思います。
子宮筋腫は、卵巣から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」によって大きくなると言われます。まだはっきりとした原因は解明されていません。
今や子宮筋腫のお悩みは4人に1人といわれ、40代が最も多く、40代50代の女性の5割が抱えている悩みなのだそうです。女性にとっては身近なものなんですね。
女性ホルモンが減っていく閉経後には、
徐々に小さくなっていくと言われますが、個人差があると私は思っています。
ここからは筋腫の成長記になります。
30代の頃はまだ筋腫も小さいものでした。
40代での経過観察では、30代で小さかった筋腫が7㎝まで成長しているのが解りました。
手術を考えるくらいの大きさになっていた他、別の小さい筋腫がポコポコできていたこともわかりました。
当時、7㎝の筋腫のMRIをしたところ良性でしたが、その後が心配だったこともあり、経過診断とガン検診は毎年継続して行くことにしていました。
みなさんは、ちゃんと検診してますか?
(関連記事→健康診断&がん検診)
さて、40代で7㎝まで成長した子宮筋腫ですが、
40代初めに、高齢だけどチャンスがあるなら妊娠したいと思い、子宮筋腫を取ろうと病院へ相談に行ったことがあります。
40~45歳頃はプレ更年期で、まだ妊娠を希望するならば治療すれば妊娠が可能かもしれないからです。
この時の筋腫の大きさは腹腔鏡手術ができる大きさで、私の子宮筋腫(漿膜下筋腫)は、不妊や流産の原因になりやすいこともあり、子宮が温存できる範囲であれば取ってしまいたかったのです。
当時、自分の目的を話す前に医師が
「もう年齢だし、閉経すれば小さくなるから…排卵は40歳くらいになると無いですよ。」と発言したことがショックで、子宮筋腫を取る相談をせずにそのまま持って帰ってきました。
2年前のエコー検診では、13㎝まで大きく育っていたこともあって、どうしたら良いか同じ医師に相談した結果、注射で生理を止め、子宮筋腫を小さくしていくという偽閉経療法を勧められました。
その時そうしていれば良かったのか?今となればわかりません。
しかし、当時は注射が怖くてお断りしました。
一生懸命考えてご提案くださった医師には感謝しているのですが
「ずっと診てくださっていた医師と自分の価値観は合わないのかな」と感じ、
その1週間後に担当の医師を変えていただき、漢方で対処していただいたことがありました。
(当時のBLOG→【女性限定記事】温活です)
今年になって、毎週レッスンを受けてくださっている紳士が
「そのお腹、動いていて大丈夫なんか?」と声をかけてくださいました。
最近、生理前は妊娠しているの?と間違われることもあるので、
またかな…言い訳が面倒くさい…なんて思いました。
次に続けて
「絶対病院へ行った方がいい!
うちの母ちゃんも良性と言って小さくならなかったし、
他の病気も考えたほうがいいし、心配やわ」とおっしゃってくださいました。
もう閉経と言うライフイベントを終えてしまった人生の女先輩方が声を揃えて助言するのは「閉経したら小さくなる」でしたし、かかりつけ医も同じようなことをおっしゃっていました。
毎年の健康診断でも異常なしでしたので、すっかり安心しきっていましたが、異性である紳士からの言葉は全身に衝撃が走り、数日間頭から離れませんでした。
紳士からの言葉で、
もう一回病院で症状をちゃんと話してみようと思いました。
紳士の言葉は、今であれば普通ならセクハラ的な言葉になってしまうのかも知れませんが、この言葉がなければ、そのまんまだったと思いますから、セクハラなんかではありません。
後日紳士には、診断結果を一番に報告し感謝しました。
なんだこれは!
価値観が合わないのかな…と感じていた医師が病院を辞めたことを知り、
漢方薬を処方してくださった医師は、検診したい曜日になかなか勤務していないので、常勤の医院長に診ていただくことにしました。
医院長の診察はたいへん人気で、午前11時の予約だったのに、診ていただいたのは夕方17時半ごろでした。
診察台で股を開いて内診した後、お腹にエコーを当てて…
すると、医院長の顔色が変わりました。
「え、え、え?これは…」
なんと!13㎝の子宮筋腫以外にも
何か大きなものがあることが判明しました。
しかも、医院長が真っ青になりながら
「見たことが無いほどの大きさ。
これが筋腫かどうかも分からない…」と大慌て。→これ言うかな(笑)
看護師さんは私の手を握る…。
医院内がバタバタとなり「直ぐに大きい病院で診てもらってください!」と。
即、総合病院へ問い合わせしてくださり、紹介状を書いてくださいました。
紹介状を書いていただいた病院先は、
7年前に7㎝だった子宮筋腫が良性なのか?悪性なのか?MRIだけをしに訪れた総合病院。
そして八ヶ岳を走った時に転倒して膝をパックリ割った時にお世話になった市内でもとても大きな総合病院でした。
看護婦さんに手を握られるなんて生まれて初めてのことでしたし、
医院内が大慌てとなる事態を目にし、急に世界が暗黒となり、恐怖が襲ってきました。
毎年エコーで経過観察していても見逃す事があるのですね…。
子宮筋腫は閉経したら小さくなる…との言葉を鵜呑みにするのは危険なのですね…。
セカンドオピニオンは選択肢に入れたほうがいいわ…
とため息しかでません。
ああ…死ぬのかな…終わった…と思いながら、気が付くと午前11時に予約していたはずなのにすっかり日が暮れて、今日の診察は私が一番最後だった様です。
暗闇をやるせない気持ちでトボトボ歩いて帰りました。
総合病院へ行くのは2日後です。
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