■【中山道を走る旅・番外編】塩の旅 赤穂義士の街・播州赤穂市
〝人間一生 物見遊山〟
これは江戸っ子の人生観を表す言葉。
生まれてきたのは、
この世をあちこち寄り道しながら見物するためであり、
せいぜいあちこち見て、
見聞を広めて友だちを増やし、
死んでいけばいい…と考えていました。
わたしはこの言葉が好きで、自分もそうしたいと思っています。
今回は、中山道のルートを大きくそれまして西の播州赤穂へ…
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何故?行き先が中山道でなくて播州赤穂なのかというと、
理由は3つ。
1つめは…
信濃の中山道に入ると、塩が付く宿場があるんです…
例えば、塩尻、塩名田。
長野には、もっと塩の付く地名があります。
それが、不思議で〝塩〟について興味を持っていたこと。
(調べてみると、日本海で作られた塩を、糸魚川から千国街道、松本街道を南下して運んだ塩の道がありました。塩尻は、糸魚川から「塩の道」が行きつく場所という意味からついた地名ともいわれています。→諸説あり 塩尻へ行ったら、塩について探検しに行こうと思います。)
2つ目は、
播州赤穂は赤穂の塩で名高く、
忠臣蔵のあたりのことはあまり詳しくないのですが、
有名な、江戸城内で浅野内匠頭が吉良上野介を短刀で斬り付ける事件は、塩にちなんだ争いだった…という説もあること。→諸説あり
塩は昔から人間が生きるために不可欠で希少なもので、
権力者にとっての重要な政争の具として利用されていたこと。
3つ目は、
コロナ禍で読んだ三浦春馬さんが紹介していた〝塩の国〟に興味を持ったこと。
(塩についてのレポートはこちら→[私が見つけた日本製]:三浦春馬さんから教えていただいた 兵庫 ・塩の国)
塩の世界に興味を持ち、
播州赤穂へ寄り道してみよう…ということに。
ここでは、彼方此方15㎞ほど。
赤穂市の史跡を記録します。
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姫路から西の兵庫県はあまり行ったことが無く…
JR山陽本線には初めて乗車しました。
ひなびた感じがとても趣きがあり、
黄色くてかわいい電車で姫路から終点となる播州赤穂駅へ。
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●義士あんどん
駅から直ぐのところに義士あんどん。
9~20時の毎正時ごとに、3分間のからくり劇場を見ることができます。
あの長い忠臣蔵のストーリーを3分でわかりやすくプレゼンできるなんて…
すばらしい。
まずは松の廊下事件。
浅野内匠頭長矩が吉良上野介に切りかかった事件。
一方、愛知県三河の吉良家は浅野家より100年近くも早く塩田をつくり、
江戸に近いこともあって江戸市場を独占していました。
そこへ赤穂の入江式塩づくりで浅野が進出しました。
技術革新に乗り遅れた吉良が新しい製塩法を教えてほしいと申し出たのですが、
浅野は秘伝ですと、申し出を断る。
で、吉良が赤穂に産業スパイ的な人を送って製塩法を盗もうとし多様で
争いが絶えなかったという説があります。
諸説あるので本当のことはわかりませんが、
切りつけたいほどムカついていたのは確かなことでしょう。(吉良さんの方から見たら、また違うかもですけどね)
次は〝はやかご〟
その凶報をもって、
江戸から播州赤穂まで155里(およそ600km)をわずか4日半という今では考えられない速さでたどり着きました。駕籠(かご)を担いで走ることを〝はやかご〟と言います。
たぶん距離が短い東海道を使ったと思いますが、
個人的には、駕籠(かご)をかついで走った駕籠かきの人がすごいと…興味を持ちました。
最後は大石内倉助や赤穂義士が討ち入りするシーン。
赤穂駅周辺は彼方此方に忠臣蔵の名残が。
義士あんどんの隣には息継ぎ井戸があって、
江戸から播州赤穂まで600㎞以上を4日で到着し、
少し息をついて城内の大石内倉助邸へ報告に戻ったいわれがある井戸。
浅野長直が作った赤穂城へ向かいます。
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●赤穂城跡
平城のお堀の水はなんと!海水。
海に続いて船が出入りできるようになっていたとか。
桝形虎口づくり。
敵は入り口から簡単に攻められません。
城の上から、御殿の様子。
松の廊下刃物事件後、
大石のもとに義士が集まったという御殿の間取りが復元されています。
茶室、浴室、寝室、廊下…など、イメージしやすい。
城の周りには義士達の武家屋敷跡が残り、
討ち入りは、近所の武士が集まって行動したことなどがわかり、面白かったです。
近所同士で心1つに!
みんなを1つにまとめた大石さんはよきリーダーってとこなんでしょうかね。
だけど、忠臣蔵は詳しくないので、
帰宅後に映画を観る課題を作りました。
映画を観たらもっと赤穂城が面白いんだろうな。
土塁の上には至る所に、鉄砲で打てる穴が。
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●大石神社
大石内蔵助や四十七義士が主祭神。
四十七義士…夜は怖そう…。
うちの実家と同じ家紋…(笑)鷹の羽、刀のツバ…。
これは虫食いタイプやけど、うちは虫食いじゃない大谷吉継のとこと同じ紋。能ある鷹は爪を隠すのやつ。そういう風に生きたい。
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●日本最古の塩務局庁舎:赤穂市立民族資料館
レトロで造りがかわいいです。
入りたかった!この日はお休みでした。
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●塩味饅頭・巴屋本店
塩味饅頭は硬めのお饅頭で、
塩味が甘みを引き出してくれてとても美味しいです。
結構移動した後だったので、冷たいほうじ茶が体に沁みわたりました。
古き街並み…町屋の風情が素敵です。
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●花岳寺
花岳寺(かがくじ)はわが故郷の福井県の永平寺を本山とする禅寺。
赤穂藩祖浅野長直公によって正保2年に建立された寺。
境内には、大石家や四十七義士の墓などもあり、
赤穂義士ゆかりの史跡でもあります。
天井の竹と虎の絵が大迫力でした。
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●かましま
結構移動した後なので、お腹ペコペコ。
かましまさんでカキフライランチ。
播州赤穂で、牡蠣が食べれるとは想像していませんでした。
隣駅の坂越(さこし)は牡蠣が取れるようです。
このかましまさんでは、坂越のかましま水産の牡蠣が食べれます。
お吸い物の中にも牡蠣!
牡蠣、牡蠣づくしでした。
900円。
お値打ちです。
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忠臣蔵に詳しくないので、
帰宅して、決算!忠臣蔵を観ました。
●決算!忠臣蔵
〝忠臣蔵〟の映画と言えば、
赤穂義士たちの討ち入りのストーリーがほとんどですが、
決算!忠臣蔵は、吉良さん家に討ち入りするのにお金がかかるよ!を面白おかしく表現したストーリー。
撮影は赤穂城なので、実際に見たシーンが登場し楽しかったです。
吉本芸人さんの関西弁もリアルです。播州赤穂なので、
関西弁とはちょっとちがうかな…
前に蕎麦と江戸の書籍を読んだときに、
二八蕎麦は、蕎麦粉8に対してつなぎ(小麦粉)2の割合から呼び名が来ている…と言う説と、
江戸時代、蕎麦の値段が一杯十六文から(2×8=16)来ている説があると知りました。
決算!忠臣蔵は、現在のうどん1杯の値段が480円ということで、
1文=30円の設定で討ち入りにかかるお金の計算をしていました。
二八蕎麦十六文説ですね。
討ち入りには武器もいるし、とってもお金がかかるんです。
団体で600㎞移動するのも大変だし。
個人だけれど、私も中山道の移動…お金かかってますよ(笑)
旅は確実に経済効果がありますよね。
劇中は塩については少ししか登場しませんでしたが、
昔から権力者に塩を送っていたことがわかりました。
私も毎日、神棚に米と酒と塩をお供えしますが、
塩は昔から大切なもの。
播州赤穂を訪ねてからというもの、
塩に一目置くようになりました(笑)
そして、歴史を知ると、
旅がもっともっともーっと楽しくなることを、
今回の塩の旅で学んだな。
彼方此方 物見遊山。
見識を広げてつなげていきます。
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●高温多湿の梅雨や炎天下の夏の季節は、帽子をかぶったり、こまめな水分補給をしたりして、充分な熱中症対策を心がげましょう。
●思った以上にコンビニがありません。行動食を持っておきましょう。
●トイレは駅やコンビニがほとんどです。事前に場所をチェックしておきましょう。
●自販機はあるコースと峠越えなどは自販機が無いコースもあります。余分に水分を持参しておきましょう。
●お天気が急に変化しますので、レインウェアを持参しましょう。
●救急グッズを持っておきましょう。
●ローカル線は電子カードが使えないことが多いので、電車賃を準備しておきましょう。