■むすひ
「結ぶ」と言う言葉は、
〝ひも状のものをつなぎ合わせる〟〝くくる〟〝まとめる〟〝締める〟など、
様々な意味がございます。
他には、
契りを結ぶ
ご縁を結ぶ
など、人と人の心を繋ぐことなどもあります。
お正月に飾ったりするしめ縄や神社のしめ縄は、
神と人との領域を示し、邪なものたちが入ってこないようにするための結界です。
おみくじを結ぶのは、神様と結ばれるという意味。
帯を結んだり、
水引を結んだり、
お米を握ってお結びにしたり、
日本には、結ぶという文化が多く存在します。
「結び」の語源は、古事記に出てくる「産霊」(ムスヒ)といわれています。
「ムス=産」は、生み出す。
「ヒ=霊」は、神霊の神秘的な働きという意味があり、
陰と陽を和合して新しいものを創造するとか、新しい活動を起こすなど、
何かと何かが結びつくことによって、
神霊の力が生み出されることなのだと思います。
ここ数日、しばらくの時間でも、
腰ひもや伊達締め、半幅帯を結ぶトレーニングをしています。
今日は仕事前に浴衣の着付けをしました。
昔は、帯を「おび」と読まずに「たらし」と呼んでいたそうで、
紐を結んで垂らすことで悪霊を寄せ付けない為のおまじないだったという一説もあります。
なんだか、帯はしめ縄に似ていますね。
帯を結ぶときのキュキュッとした音を聴くたび、
身体が浄化されていくようで、心身ともにキリリとするのですが、
「たらし」の一説である、悪霊を寄せつけないためのおまじない…というのが、
何となく納得できてしまう様です。
さてさて!「むすひ」にあやかりまして、
今日も、何かの神霊の力が生み出されるでしょうか。