■脳はデリケート
オフの水曜日の朝。
読書に集中したかったのと、健康づくりのための運動をしたくて、
ランニングでシアトル系カフェへ。
さて、1章ぶんだけ読みましょうか…と本を広げて読み始めたところ、
わたしと同世代くらいの男性が入店し、オーダーするのにちょっともたついている女性客の後ろに着きました。
突然「はよせいや!こらぁあああ!」と大声で怒鳴り始めました。
一瞬で空気が凍り付くのがわかるくらい、店内の客の視線は一気にレジのあたりに集められました。
大声、汚い言葉、そして自分勝手の3拍子が揃うのほど、見苦しいものは無いと思います。
レジ担当のスタッフやオーダーにもたついていた女性の今日一日が、男性の大声で最悪のスタートになってしまったかもしれません。
男性はお持ち帰りのため直ぐに店を立ち去り、
店内は何事もなかったかのように元の空気に戻りつつあったのですが、
不思議とその瞬間から、私は読書に集中することが難しくなりました。
何かしら、脳のストレスを感じ、思考力や理解力が低下してしまったのでしょう。
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人間の脳は、不思議なもので、自らを守ろうとする自己防衛反応が働きます。
見たくないものを見てしまったとき、もう見続けなくていいように「視覚野」が萎縮することがあります。
痛みを感知したり、起こっていることを認識したりしなくていいように「前頭前野」が萎縮することもあります。
「前頭前野」は、判断力・思考力・理解力・記憶力などを生み出し、感情をコントロールする理性を司っている場所なので、萎縮をしてしまえば、それらの力が発揮できなくなります。
また、暴言を受けると「聴覚野」は肥大して変形することがあります。
ふつうは、情報を得るために脳のシナプスが盆栽の剪定のように働いて刈りこみを行うのですが、肥大すると剪定がストップし、シナプスがボーボーと伸び放題になり、聞きたくないことを聞かなくていいように、音が拾えない状態に変形するのです。
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ストレスを受け、萎縮した脳をストレッチで伸ばしていくように…
帰りは公園で大きな深呼吸をしながら、ゆっくり歩いてみました。
大人の脳でも、ストレスで萎縮してしまうのですから、
まだ脳の成長段階の子供であればなおさらのこと。
何かを伝えるときは、相手に愛情をもって伝えていきたいものです。
そして、時々脳をストレッチさせる様な自分の薬箱(私の場合は深呼吸や瞑想)を持っていると良いですね。